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日産サニー VZ-R

 

 

技術の日産が誇る名機SR16VEエンジンをB15サニーに載せたサニーVZ-R
8000rpmを超えても回ろうとする高回転エンジン
それを支える足回りも強化され、4輪ともディスクブレーキ
フロントブレーキは専用の大径15インチローターを奢られる。
駆動系はこのサニーで一新され5速MTミッションはシンクロも強化され
専用のクロスレシオのギヤ比を持つ。(NISMOのオプションであったクロスレシオを
サニーに載せたとも言われているようだ)
パルサーVZ-Rの弱点の一つであった繋がりの悪いギヤ比は改善されている。
故にパルサーVZ-R、先代B14とも駆動系は違い互換性はない。
今のFF車ミッションは全てワイヤー式作動だが
VZ-Rのミッションはリンケージ式 剛性が高く短いストロークで決まる。
シフト操作を楽しめる。

新プラットフォームを採用したB15サニーのボディ剛性は先代B14、パルサーN15と比べても
飛躍的に向上した。子供騙しのエアロパーツは一切装備されないが空力的にも優れたボディである。
内装も実は専用品 この穴あきヘッドレストはB15サニーでもVZ-Rにしか装備されない。 

排気系もサニーVZ-R専用品 

この高回転型エンジンをクロスレシオの5MTで操るサニーVZ-R 生産累計台数は400台に満たない。
箱スカGT-Rよりも希少車なのだ。

 

 SR16VEは良くできたエンジンだ。しかしこのサニーは車重が1180kg と重い。なので俊敏な身のこなし、
とはいかない。ここ一番ではちゃんとシフトダウンして高回転まで回すことになる。
回した時のパワーは充分で、かつ6000 回転以上でも常用できる余裕がありがたい。
さらに、低回転域でも不満なく走れる。なかなか良くできた実用車だ。スポーツカー、ではない。
こいつでサーキットを走ろうとすると、あちこちに手を入れて大変な思いをする事になるだろう。

 この型、B15型サニーは評論家達の受けがあまり宜しくなかったようだ。
決して悪い車ではない。ふり返ればサニーの歴史は、ライバルであるカローラを追いかける歴史だった。
デビューはサニーの方が早かったのだが、1000ccで出たサニーに対し、後発のカローラは
「+100cc の余裕。」とばかり、後出しじゃんけん、サニーの半歩上を行くのであった。
それからサニーの目標はカローラを超える事。モデルチェンジの度に、その時のカローラよりは
上に立てるのだが、間もなくモデルチェンジする新カローラには及ばない。その繰り返しだった。
B15型は1998年のデビュー。1996年にモデルチェンジしたカローラよりは少し良さそうに見えた。
しかし2000年にモデルチェンジしたカローラはまたもやサニーを置いてけぼり。新しい価値観を
提案したのだった。このサニーは旧来の価値観で作られた最後の車なのである。現代の車が
大嫌いな私にとってはこれがちょうど良く心地良いのだ。コスト一辺倒でもなく、日産の車は丁寧に
作られている。くたびれた部分を少しずつ直しながら長く乗ってみようと思う。

 私のサニーVZ-Rは2000年4月が初年度登録。SR16VEエンジンは新排気ガス規制に適合できず
2000年8月には生産を中止してしまった。サニーVZ-Rの生産台数は恐らく400台に満たないだろう。
箱スカGT-Rよりも希少車なのだ。

 

 

旧い車に似合う
ナルディのウッドステアリング、4点式シートベルトを付けてみた。
昔、こんな装いで走っていたっけ。
シフトノブは昔々乗っていた117クーペの物に交換。

追記1

サニーのリヤサス。
カタログにはマルチリンクビームとあるが、
内容はコの字(ヨの字か?)断面のトーションビームと
トレーリングリンク、ラテラルリンクからなる3リンクリジットである。
トーションビームはトヨタのそれと違いコの字が下を向いている。
上下方向の剛性面ではこちらが有利だろう。

不整地でのロードホールディング等は考慮しないFF車のリヤサスでは
必要最低限の物だ。

リヤブレーキはソリッドディスク。サイドブレーキはワイヤーでキャリパーを引っ張る
タイプなのでパッド交換時のピストンの押し戻しには専用工具が必要になる。

 

'21.3.12 備忘録
エンジンオイル、エレメント交換しました。

 

今年の初め(部品は昨年11月に発注したのだがバックオーダーで入らなかった)
バックランプのスイッチ(ニュートラルスイッチとか言うミッションに付く樹脂部品)
を交換してバックランプがちゃんと点くようになった。

'21.4.某日 追記

購入して2年。車検を通した。
ヘッドライトは純正品でなければ光量不足で通らない。
予備車検場(テスター屋)にて判明。
サイドスリップが大幅にずれている事も分かった。
前回、ディーラーでタイロッドエンド左右を交換して貰った時
調整を怠ったのだろう。前回よく車検に通ったものだ。

ヘッドライトを純正電球に戻して車検を受けに行ったが
最終工程、下回り検査でロアアームボールジョイントブーツの
破れを指摘され不合格。
ディーラーで部品を訊いてみると、ボールジョイントブーツはおろか
ボールジョイントASSYでも部品は出ず(品番設定が無く)
何とロアアーム一式丸ごと交換になってしまうのだそうな。
いいかげん止めようよ、資源の無駄使い。
仕方なくロアアームASSY左右共交換をお願いした。
5万かかった。

交換後はフロントサスからの異音、振動がかなり緩和され快適になった。
他の部分の振動、共振が気になるようにはなったが。

車検を通し寿命が2年伸びた。もう2年宜しく。

 

追記 続

この車は“日産サニー”である。
ファミリーカーである。
ちょっといいエンジンを積んではいるが
良く出来たファミリーセダン以外の何物でもない。
残念ながらスポーツカーではない。
平凡だが安全なハンドリング
普通に過不足なく止まれるブレーキ
車重が重たい事を考えれば燃費はこんな物だろう。
地味で目立たない、全く印象に残らない当たり障りの無い外観
普通に4人の人と荷物を載せて走る
当たり前に仕事をこなす車である。
そこに趣味性の入る余地はない。
イライラするほど遅くもダルくもないが
華やかさも、わくわくさせる何物も持たない
意識の外で黙々と働く車なのである。
造り手である日産はこの車、サニーVZ-Rを
どんなクルマにしたかったのだろう。
それが未だに分からない。

この車の弱点、恐らくこの当時、
ゴーン改革前の日産車に共通するのかもしれないが
様々な補器類、エアコンの温度や風向を調節するパネルとか
電動で格納するサイドミラー
電磁式集中ドアロックなど
これら何でもない物のクオリティが低いのだ。壊れるのだ。
下請けメーカーへの品質指導が行き届いていなかったのだろう。
大企業病の日産社員
担当者と下請けメーカーの馴れ合い、癒着
ボロい物、いい加減な品質の割に高い見積もりを通して
会社の金を無駄使いして担当者個人が業者から見返りを貰う
日産は潰れない不沈艦だから何をしても平気だと
皆思っていたのだろう。皆でそれをしたから
巨額赤字 ゴーン改革は必然だったのだ。
それを考えると、ゴーン改革以降の部品が使われていた
プリメーラは全体のクオリティは高い筈なのだ。
ただ、プリメーラは徹底的にコストカットした造りになっていて
丁寧な造りの昔の良さが失われていたのも事実だ。
どちらが良かったのか 答えは判らない。
日産生え抜きの日本人のお偉いさん達は
馴れ合い癒着の昔に戻りたかったのだろう。
ゴーンを追放した今の日産の行き着く先は
粗悪な品質の部品、コストカットの建前の手抜きした造り
見た目だけは華やかな電気で動く自動運転の車
だとしたら、残念だ。
トヨタみたいな下請けイジメをしろとは言わないが。
自動車業界で長年働いていた私は その深い闇を知っている。
深い闇は 今も深い不快なまま、まだそこにあるのだ。

 

 

追記 続々

'21.12.某日

 とうとうサニーも手放してしまった。
経済的事情に因るものだ。
あちこちを金かけて直しただけあり
春に車検を通してからは順調に走っていた。
不満があった訳では決してない。
保管場所と金さえあれば、ずっと持っていただろう。
いい経験だった。感謝しかない。
今はまた、新しい、いい未来を夢見て。

'22.1 .某日

サニーを手放して1ヵ月経った。
偉大なる“普通のクルマ”サニーVZ-R
今や普通の車はどこにも無く
芋虫のようなデザインや威圧する様なフロントグリル
図体に比例して広い室内にテレビを備えた
電子デバイスで作動する動くリビングルーム
そんな物ばかりになってしまった今
しみじみと普通の良さを思い出している。

 

 

 

 

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