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トヨタ アレックス RS180

 遂にトヨタの車に手を出した。
実は子供の頃 欲しかった車と言えば、TE71や18R-Gを積んだセリカ。
トヨタ車に乗って普通のカーライフを送るはずだったのだが
どこで間違えたのか 気が付けば因業ヂジゐな車にばかり乗っていた。
一度普通の生活をしてみよう。

 

車名はアレックスだが、どう見てもカローラのハッチバック。
どこにでもありそうな外観。

 

 

この車両もワンオーナーとの触れ込みだったが、相応にくたびれていた。
スカスカのブレーキはパッドを全部交換し、ブレーキ液も交換してみたのだが
まだフカフカで全然良いフィールではない。止まるようにはなった。
タイヤ、ホイールを新調しハンドル替えて4点ベルト付けて、できるだけ小奇麗に
掃除してみた。

追記;割れていたリヤバンパーは強引にパテ埋め。


下手な安っぽいガラスコーティングか何かを昔々にされたこの車体は
そのコーティングが劣化して全面艶消し。光を反射しないステルス戦闘機
みたいになってしまっていたのだ。今回コンパウンドをかけて劣化した
コーティングをできるだけ落として普通に洗車してワックスをかけた。
やっと普通の外観を取り戻した。

 

 

 

この車の最大(にして唯一)の美点は、そのエンジンである。
トヨタ最後のスポーツツインカム、2ZZ-GE型エンジン。

8200回転からレッドのタコメーター(点火カットは8100回転ぐらいらしい)

ハンドルとベルトは付いたが、まんまカローラの内装。
カーナビを撤去してカセット&CDを付けた。
シフトノブはTRD。ハンドルは恐らくMOMOのDaytona。

このトヨタの6速MTはワイヤー式作動のようで、操作フィールは
ゲームセンターのオモチャっぽい。バックギヤには入れ難い。

エンジン以外に見るべきところはなく、前述のフカフカカックンブレーキ、
ドタバタしたリヤサスなど、まあ走ればいいトヨタ車なのだろう。

どうしようもないコストダウンのリヤサス。応力のかかるナックル取り付け部はこんな板厚のブラケットに
M8のボルト4本で留まっている。

しかもこのトーションビームは閉断面ではなくコの字型の開断面チャンネル構造。
この開断面の内部に形ばかりの、何の意味もないスタビライザーがへばり付く。
この弱っちいトーションビームは経年でヘタり、曲がってくるのだ。
結果、固定車軸のくせにハの字にキャンバーが開いてしまう。
この年代のトヨタのFF車のリヤサスを注意して見ると、ハの字に開いた車を
結構見かけるのだ。

トヨタでもこの欠陥は把握しているようで、次の代のカローラは同じコの字断面
トーションビームながら、断面はサニーと同様に下向きになった。上下方向の
応力にはその方が強いのは明白である。だからアレックスのこのリヤサスは
トヨタ史上最悪のダメサスなのである。その事が非常に残念だ。

 

 サニーの頁で述べたが、2000年モデルのこのカローラ(ハッチバック版は2001年〜)から
車としてのあり方、考え方が変わったように思えるのだ。
従来の古い価値観では、車は一家の財産であり大事な物。大黒柱であるお父さんの運転で
家族みんなで出かけるのが流儀。車に乗る事にも一種の華があった。
だからカローラもそのクラスとしては真面目に真っ当に作られていた。
対してこのモデルからの新しい価値観とは、
家族皆を乗せて出かけることはもうなくて、カローラは子供が成長して手を離れた後の
老夫婦が乗る車なのだろう。車は一家の財産ではもうない。
老夫婦用に一台、成人した子供たちはそれぞれ各々の車を持つ。
車は今や白物家電と同じ消耗品。買って数年して壊れたらさっさと買い替えるべき物になった。

 この前提で考えればこの車の成り立ちにも納得がいく。
車体回りは一見、安全性などを向上させたように見えるが、足回りなどは思い切って
コストダウンを図った。上記で述べたヘタったリヤサスのトーションビームは、ディーラーに見せたら
ビームごとアッセンブリー交換して下さいだと。金10万円也。それが嫌ならさっさと買い替えろと。
まさに使い捨て、中国産の安物白物家電になってしまった。
内外装も然り。ドアの鍵穴が運転席のみになり助手席の鍵穴さえ省略されてしまった。
キーレスの集中ドアロックで操作するから構わないと考えるようだが、
アクチュエータが壊れたら開けられなくなるぞ。まるで昔のスズキアルトみたいだ。

 車を買ってワクワクする事はもうないのだろう、この車に乗るとそう思えるのだ。
ワクワクしない、運転を楽しまない、車内でいる時の雰囲気を楽しまない。
そういった、この車の延長線上に今の車の技術、自動運転、テレビも見れるカーナビがあるのだ。
運転は楽しくない。車の中は退屈だ。だから運転席に座っても車任せの自動運転でテレビ見ながら
走る、いや移動するのだ。この考え方を突き詰めれば、必要なのはもはや車ではなくて
どこでもドアだろう。車を退屈にしてしまったのは誰なんだ。

 

追記;乗って楽しくなく、さりとて燃費や維持費も安くないこの車は約5か月乗って
赤字価格で売ってしまった。 まあ いい経験にはなった。

二度とトヨタ車には乗らないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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